NYダ株、高値波乱に警戒

米株式相場が上げ足を速めている。主要企業の決算発表が本格化するなかで米税制改革の具体的な効果を吟味しながら、さらなる買い余地を探る展開だ。典型的な「業績相場」にみえるが、低めの長期金利に根ざした「金融相場」も併存し、株高に拍車をかけてきたことを忘れてはいけない。気がかりは米長期金利が「天井」だった2・6%を超えて強含んできたことだ。

ダウ工業株30種平均は17日に史上初めて2万6000ドル台に乗せた。4日の2万5000ドル突破から、わずか8営業日。107、54、30、23、8。2017年8月の2万2000ドル乗せを境に、1000ドルの上昇にかかる営業日数はどんどん短くなっている。

世界同時好況が鮮明になるなかで、トランプ政権が税制改革を成功させ、米国にはさらなる需要刺激が上乗せされる。その一方で物価の停滞懸念はなお拭えず、米連邦準備理事会(FRB)は慎重な利上げ路線を崩さない。この構図が、株式投資に理想的な環境をつくり出してきた。

ごく単純にいえば、「株高・債券安(金利上昇)」が業績相場。「株高・債券高(金利低下)」が金融相場。これまでは両者のいいとこ取りである「株高・債券(金利)安定」という微妙なバランスが保たれてきたわけだ。

この構図にも綻びがみえる。米債券相場が下落(金利は上昇)基調を強め、米長期金利の指標である10年物国債利回りは19日に2・66%台と14年7月以来、3年半ぶりの高い水準をつけた。米大統領選後の金利上昇局面では2・6%が見えない天井となってきたが、このラインを抜けてきた。次の節目は14年1月を最後につけていない3%だ。

米主要企業には減税を踏まえ、賃上げの動きが出ている。FRBが17日発表した地区連銀経済報告では、複数の地区が賃上げの広がりを報告した。こうした流れがインフレ圧力の高まりにつながれば、FRBの利上げ加速論が勢いづき、長期金利の本格上昇に至る可能性を秘める。

株高継続には業績相場への本格移行が求められるが、もし金利安定という「補助輪」が急に外れれば、ふらつくのは必至。少なくとも当面は、高値波乱や調整含みの展開が避けられそうにない。

その意味でも、今週は米長期金利の動きから目が離せない。26日の17年10~12月期の米国内総生産(GDP)速報などを除き、重要な経済統計は少ない。むしろ注目は25日の欧州中央銀行(ECB)理事会。量的緩和の早期終了を巡る市場の思惑はやや落ちついたが、ドラギ総裁の記者会見での発言次第では、ドイツ国債経由で米国債に売り圧力がかかるリスクもある。

2018年01月21日 日本経済新聞 夕刊

齋藤勝利「その道のプロに聞け!ビジネスニュース」

齋藤勝利「独自の視点で鋭く解説!ニュースを斬る」

米国の長期金利が上昇傾向にあります。

景気が良くなる段階では金利が上昇していきます。記事にもありますように「株高債券安」になります。

この段階では株高が続くことになります。

ただ、インフレ圧力が進むと市場が予想している以上に利上げが進み長期金利が想定以上に上昇する可能性も出てきました。基本的に株式と金利は逆相関に動きます。

ある一定以上、金利が上昇すると株価に逆風が吹くことになります。

金利上昇スピードが速くなるかは物価動向によりますので、今後は米国の物価動向にも注目してください。

執筆者:コンサルティング事業部 齋藤勝利

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齋藤勝利

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コンサルタント・ファイナンシャルプランナー・証券アナリスト検定会員・ファイナンシャルプランナー(AFP)株式会社プレミアバンク
証券会社、大手信託銀行で資産運用の提案に長く従事。株式市場を30年以上見続けている経験を活かしお客様のお考えや希望に沿った提案をすることを心掛けています。また、資産運用の伝道師として多くの方に興味を持っていただけるようわかりやすい言葉でお伝えします。 株式・投信信託・資産運用でお困りの方は、齋藤勝利が適切なアドバイスを致します!!『齋藤勝利無料相談室フリーダイヤル:0120-114-516』齋藤まで、お電話かコメント欄に投稿してください。

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