円、4カ月ぶり高値が視野―円買い、持続性は乏しく(今週の市場)

円相場が対ドルで円高方向に傾いている。この2カ月ほど相場が膠着していたが、投機筋がしびれを切らしたように、円売りの持ち高を解消している。12日には1ドル=111円ちょうど近辺まで上昇し、約4カ月ぶりの高値(110円85銭)も視野に入った。この流れのカギを握るのが、国内マネーの外債投資だ。

先週は久々に円相場が大きく動いた。東京市場では1週間で1円78銭上昇。1週間の変動幅としては約4カ月ぶりの大きさとなった。

きっかけは2つある。1つは9日に日銀が国債購入を小幅に減額したことで、現行の金融緩和政策を将来に微修正するとの思惑が市場関係者に広がったこと。もう1つは中国が米国債投資を減らすとした報道だ。

ただ、いずれも円買い材料としては必ずしも強くない。日銀では国債購入の減額は金融調節の実動部隊である金融市場局が決めており、政策委員の判断は絡まない。「日々の金融調節の変化が将来の政策変更を示唆することはない」(日銀幹部)ため、当の債券市場も反応は冷ややかだ。中国の報道も直後に中国当局が否定した。

外為市場では「円売り持ち高の巻き戻しを狙っていた海外投機筋が飛びついただけだ」(欧州銀行)との指摘が多い。昨年末時点でシカゴ市場の円売り持ち高は1・5兆円近くと高水準に膨らんでいた。だが、円相場は112~113円程度でほとんど動かない状態が続き、値ざやを得られなくなっていた。年明け早々で取引量も少なく、短期間で相場が振れたというのが実態のようだ。

円高が続くのか見極めるうえで重要なのは米長期金利の動きだ。中国の米国債投資の縮小観測だけでなく、好景気を背景に物価上昇期待も出ており、先週は2・5%台まで上昇した。日本は引き続き0%近辺に抑えつけているので日米金利差は拡大している。日本の投資家にとっては米国債の投資妙味は高まりつつある。

財務省の12日の発表によると、2017年の国内投資家の外債買越額は1兆7千億円と16年の1割以下に急減した。ドイツ証券の田中泰輔氏は「特に生命保険は外債の積み増し額が年度初めの計画に大きく届いていない」と指摘する。言い換えれば、いまのように米金利が上がり、かつ円高に振れれば、当初計画を進める好機だ。実際に「12日には国内投資家のドル買いがじわりと増えてきた」(外為ディーラー)との声がある。

今週は日米で相場の材料視されやすい経済指標が少ない。先週の円高が投機筋の一時的な巻き戻しにすぎないのであれば持続性は乏しい。三菱東京UFJ銀行の野本尚宏氏は「1ドル=111円を越えてさらに円買いの勢いが続く状況は想定しづらい」とみていた。

2018年01月14日 日本経済新聞 朝刊

齋藤勝利「その道のプロに聞け!ビジネスニュース」

齋藤勝利「独自の視点で鋭く解説!ニュースを斬る」

新聞記事の解説です。

まず、外為市場では「円売り持ち高の巻き戻しを狙っていた海外投機筋が飛びついただけだ」(欧州銀行)との指摘が多い。昨年末時点でシカゴ市場の円売り持ち高は1・5兆円近くと高水準に膨らんでいた…

とあります。

今回の円高は、市場の参加者は一時的と考えています。

投機筋は円を売っておいて、円高の時に買い戻して儲けようとしていたが、なかなか円高に動いてくれないので儲けられない。しびれを切らしていた者が多かった。

そこで今回円買いに動いたことで円高に進みました。※巻き戻し→取引の解消(この場合は円買い)

次に

円高が続くのか見極めるうえで重要なのは米長期金利の動きだ。中国の米国債投資の縮小観測だけでなく、好景気を背景に物価上昇期待も出ており、先週は2・5%台まで上昇した。日本は引き続き0%近辺に抑えつけているので日米金利差は拡大している…

とあります。

お金は金利が低いところから高いところに流れます。日本とアメリカの金利が広がれば基本的に円安ドル高に向かうことになります。

次に、

生命保険は外債の積み増し額が年度初めの計画に大きく届いていない」と指摘する。言い換えれば、いまのように米金利が上がり、かつ円高に振れれば、当初計画を進める好機だ…

とあります。

債券は金利が上昇すると価格は下落します。その上、円高時に買って円安になれば為替差益も生まれますので投資するチャンスになります。

したがって、ここからさらに円高が進めば生命保険会社が円を売ってドルに交換して、外国債券を買うためドル買いのニーズはあるので円高を抑えることになるのではないかということを言っています。

以上のことから、この記事では円高は一時的であるだろうということを言っています。

執筆者:コンサルティング事業部 齋藤勝利

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齋藤勝利

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コンサルタント・ファイナンシャルプランナー・証券アナリスト検定会員・ファイナンシャルプランナー(AFP)株式会社プレミアバンク
証券会社、大手信託銀行で資産運用の提案に長く従事。株式市場を30年以上見続けている経験を活かしお客様のお考えや希望に沿った提案をすることを心掛けています。また、資産運用の伝道師として多くの方に興味を持っていただけるようわかりやすい言葉でお伝えします。 株式・投信信託・資産運用でお困りの方は、齋藤勝利が適切なアドバイスを致します!!『齋藤勝利無料相談室フリーダイヤル:0120-114-516』齋藤まで、お電話かコメント欄に投稿してください。

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