金融政策正常化の足音?国債購入減受け円高、111円台、市場、神経質に反応(日銀ウオッチ)

外国為替市場で急速に円高・ドル安が進んだ。9日から10日の東京市場では1日半で1円超の円高が進み、約1カ月ぶりの水準を付けた。日銀が9日の公開市場操作で超長期国債の買い入れを減らしたことが金融緩和縮小の地ならしではないかと意識された。日銀は「政策的な意図はない」とするが、金融政策の「正常化」の足音に市場は神経質になっている。

「日銀の政策調整への思惑が原因だ」。シティグループ証券の高島修氏は円高の要因をこう分析する。9日の東京市場が開いた直後は1ドル=113円台前半だった円相場が動いたのは午前10時10分過ぎ。日銀が国債買い入れオペの予定額を通知した直後だ。約1年間購入額を減らしていなかった満期まで「10年超25年以下」などの超長期債の買い入れ額を減らした。

1カ月ぶり高値…

わずか30分で50銭ほど円高が進行。その後もじわりと円高が進み、10日には一時111円台後半と1カ月ぶりの水準を付けた。国内債券市場では長期金利が2カ月半ぶりの水準に上がったほか、米長期金利の上昇を誘う一因にもなった。

円買いの材料を提供したとされる日銀の内部からは「日々のオペに金融政策を変更する意図はまったくないのに」と困惑の声があがる。

日銀は16年9月に金融政策の目標を国債購入の「量」から「金利」に変えてから、国債買い入れを事実上、縮小する「ステルス・テーパリング」を進めている。年80兆円をメドとする国債保有残高の増加額は足元では50兆円台。みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「『ステルス』が市場のレーダーにかかった」と指摘する。

昨秋以降、黒田東彦総裁らが低金利が続くと金融仲介機能が阻害され、緩和効果が反転する「リバーサル・レート」論に言及してきたことも市場の思惑を呼ぶ。2%の物価安定目標は遠いが、足元の物価上昇率は0・9%まで上がってきた。景気は戦後2番目の長さを更新し続けている。

上げたい思いも…

このため市場では「ゼロ%程度」とする長期金利の誘導目標の引き上げを予想する声が増えている。JPモルガン証券の鵜飼博史氏は9月と12月に0・25%ずつ引き上げると予測。岡三証券の愛宕伸康氏も「年半ばに誘導目標を『0・2%程度』とする可能性が高い」という。日本経済研究センターがエコノミストを対象に実施した12月調査では39人中15人が18年中の引き上げを予想した。

金利を上げておきたいという思いは日銀内部にもある。そもそも長期金利を微調整しても緩和効果が大きく後退するわけではない。長期金利を少し上げて景気後退時に備えておきたい――。

しかし円高は脱デフレに冷や水をかけかねない。「日銀が金融緩和を後退させる」と市場が受け止めると、日銀の意図とは関係なく、先回りを急ぐ投資家の動きが予期せぬ円高や金利上昇を招く可能性がある。米欧の中央銀行が金融緩和の正常化に踏み出すなか、円高圧力を目の当たりにした日銀は18年に動くのか

2018年01月11日 日本経済新聞 朝刊

齋藤勝利「その道のプロに聞け!ビジネスニュース」

齋藤勝利「独自の視点で鋭く解説!ニュースを斬る」

日銀は、少しづつ金融政策の正常化に向けて動き始めているようです。

日銀総裁が低金利が続くと金融仲介機能が阻害されるとの発言も昨年あり、金利の誘導目標を引き上げていくのでしょう。

ただ、目標を引き上げますと断言しますと、金利が急上昇し為替も大幅に円高になってしまうため、なるべく分からないように分からないようにしたい考えです。

でも市場参加者は少しの変化を見逃さず我先に儲けようとしますので、一旦そのようなことになると他の市場参加者を出しぬこうとしますので、極端に金利が急騰したり(債券価格が急落)しますので、日銀も慎重に行う必要があります。

ただ、景気が良い時に金利を上げておかないと、金利が悪くなった時・マーケットが急変した場合に金利を引き下げられるようにしておきたい思惑もあり、日銀も舵取りが難しい状況にあります。

※「リバーサルレート」→「いきすぎた低金利」を指し、大規模緩和の長期化に警鐘を鳴らす概念。

※「テーパリング」→金融政策において、量的金融緩和の縮小のことをいいます。

執筆者:コンサルティング事業部 齋藤勝利

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コンサルタント・ファイナンシャルプランナー・証券アナリスト検定会員・ファイナンシャルプランナー(AFP)株式会社プレミアバンク
証券会社、大手信託銀行で資産運用の提案に長く従事。株式市場を30年以上見続けている経験を活かしお客様のお考えや希望に沿った提案をすることを心掛けています。また、資産運用の伝道師として多くの方に興味を持っていただけるようわかりやすい言葉でお伝えします。 株式・投信信託・資産運用でお困りの方は、齋藤勝利が適切なアドバイスを致します!!『齋藤勝利無料相談室フリーダイヤル:0120-114-516』齋藤まで、お電話かコメント欄に投稿してください。

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