石油需要、いつ頭打ち、20~30年代?、EVシフトで分析相次ぐ

今後5~20年で世界の石油需要が頭打ちになる――。

こんな石油ピーク論が再び勢いを増している。英国やフランスを筆頭に電気自動車(EV)への大胆なシフトが進むほか、シェア経済などの構造転換が広がるためだ。EVの技術開発などハードルもあってピーク論には懐疑的な声も多く、産業界を巻き込んだ分析が活発になっている。

2017年11月、2つの国際機関が相次ぎ、石油需要が2040年を前に峠を越える可能性を指摘した。一つは石油輸出国機構(OPEC)で、30年代後半に日量約1億900万バレルで天井をうつとのシナリオを紹介した。

もう一方の国際エネルギー機関(IEA)は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標を達成するならば、石油需要は「20年ごろに頭打ちになる」と、さらに早くピークがくるシナリオを披露した。

供給不安は後退

これだけではない。「非常にリアルなものだ」。英調査会社ウッドマッケンジーは、OPECとだいたい同じ35年直後のピークを示唆。オイルメジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルのファンブールデン最高経営責任者(CEO)は17年夏、欧米メディアに「20年代後半から30年代前半」に需要が下降し始めるとの見方を示した。

ピーク論の歴史は古いが、その根拠は原油がいずれ枯渇するという供給面の制約だった。ところが10年ほど前にカナダのオイルサンド、米国のシェールガスが本格的に商用化され、地球にはまだ使っていないエネルギーが大量にあることが判明。「供給ピーク論」は勢いを失う。

今回のピーク論はもっぱら需要面からきている。フランスや英国、中国、インドがガソリンなどの内燃機関車から電気自動車(EV)へのシフトを明確に打ち出したためだ。世界の石油需要の56%(15年)は運輸部門が占め、EVが普及すればするほどガソリン使用量は減る。

各国はすでに00年代以降、環境対策でエコカー導入や排ガス対策を本格化。いずれ需要の峠が来るとの観測が出ていたところに、EVシフトの波が一気に押し寄せた。

日本エネルギー経済研究所は、世界の新車販売に占めるゼロエミッション車(プラグインハイブリッド、EV、燃料電池車)が30年で30%、50年で100%になるとの前提で試算。英仏は40年までには内燃機関車の販売を禁止する意向を打ち出しているが、50年にはこれが世界に広がるとの想定だ。

自動運転も一因

本当に実現すれば石油需要は15年の約9040万バレルから30年におよそ9820万バレルとピークを打った後、50年に15年を下回る水準まで落ち込むという。

EV以外の社会構造の変化も見逃せない。英BPは石油需要のピークがそれほど早く到来するとは見ていないものの、35年時点で「自動運転」や「カーシェア」がEV並みに需要減につながると指摘する。ムダなブレーキをかけない自動運転で燃費は改善し、カーシェアは自動車の保有台数減に直結するからだ。

地球環境産業技術研究機構(RITE)の秋元圭吾氏は「自動運転などが爆発的に広がると需要を減らす可能性がある」と語る。こうしたピーク論が現実になると、石油の価格はどのような推移をたどるだろうか。

▼30年時点で1バレル65ドル、40年には60ドル、50年にはさらに50ドルへ下がり続ける。(エネ研)

▼25年に1バレル72ドル、40年には64ドルになる(IEA)

いずれもしばらくは価格が上向いていまの水準よりも高くなるが、その後は緩やかな下降トレンドをたどる点で似かよっている。

IEAによると、先進国の石油需要は05年をピークにすでに減少傾向にある。一方、成長率の高い新興・途上国の需要は増え続け、14年に先進国を逆転した。こうした流れを受けて当面は新興・途上国の需要は伸び、その後はEVシフトで頭打ちになるシナリオだ。

値段が下がれば上位輸入国の日本や中国、インドなどには朗報にもみえる。ただし原油を安く調達できれば省エネや技術革新への意欲は衰えかねない。ガソリンなどに課す税収も減少が避けられない。

2018年01月07日 日本経済新聞 朝刊

齋藤勝利「その道のプロに聞け!ビジネスニュース」

齋藤勝利「独自の視点で鋭く解説!ニュースを斬る」

新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

今回の記事は石油価格についてです。

原(石)油を輸入に頼っている日本にとって原油価格の動向は気になるところです。

将来的には記事にもあるように原(石)油の需要が減る方向にあるとは思います。

以前コラムでガソリン価格についてお話ししたように売り手と買い手の綱引きになりますので、買い手が減れば価格は下がることになります。
価格が下がることで日本にとってはプラスになります(当然マイナスになる国もあります)。

ころで最近のガソリン価格や灯油価格の上昇は原油価格が上昇していることに起因します。

原油を生産している国が調整をしていることや世界的な好況で買い手が多いこと、リスクマネーが原油市場に流れていることが影響しています。

しばらくは、原油価格は高い状況が続く可能性があります。

執筆者:コンサルティング事業部 齋藤勝利

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齋藤勝利

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コンサルタント・ファイナンシャルプランナー・証券アナリスト検定会員・ファイナンシャルプランナー(AFP)株式会社プレミアバンク
証券会社、大手信託銀行で資産運用の提案に長く従事。株式市場を30年以上見続けている経験を活かしお客様のお考えや希望に沿った提案をすることを心掛けています。また、資産運用の伝道師として多くの方に興味を持っていただけるようわかりやすい言葉でお伝えします。 株式・投信信託・資産運用でお困りの方は、齋藤勝利が適切なアドバイスを致します!!『齋藤勝利無料相談室フリーダイヤル:0120-114-516』齋藤まで、お電話かコメント欄に投稿してください。

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